深部子宮内膜症の手術
深部子宮内膜症と診断された方、手術をすすめられて迷っている方へ。浜田病院はJR御茶ノ水駅から徒歩2分、入院設備のある病院です。
診断の進め方から手術の内容、入院までを順にご説明します。
他院で診断を受けた方や、手術が難しいと言われた方も、一度ご相談ください。
病巣のある場所によっては連携する医療機関へご紹介することもありますので、まずは診察で広がりを確かめます。
深部子宮内膜症とは——症状と、できやすい場所
子宮の内側をおおう子宮内膜に似た組織が、子宮の外にできてしまう病気が子宮内膜症です。月経のたびに出血と炎症をくり返し、周りの臓器がくっついてしまうことがあります。
このうち、病巣がおなかの中をおおう膜(腹膜)の表面にとどまらず、その下に深く入り込んでいるものを深部子宮内膜症といいます。
子宮の後ろのダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)にできやすく、進むと腸や膀胱、尿管に及ぶことがあります。
症状として多いのは、月経痛が年々重くなることです。深部子宮内膜症では、これに加えて次のような痛みが続くことがあります。
- 月経のとき以外の下腹部の痛み
- 性交痛
- 排便時の痛み
診断の進め方
深部子宮内膜症は、病巣が骨盤の奥にあるため、内診と経腟超音波検査だけでは広がりが分かりにくいことがあります。
当院では、内診と経腟超音波検査に加えて直腸診を行い、血液検査も合わせて評価します。
MRI検査や、腸の状態を詳しく調べる大腸内視鏡・注腸造影が必要な場合は、近くの施設に依頼し、結果を当院で確認します。
他院で受けられた検査の結果や紹介状があれば、受診の際にお持ちください。同じ検査を繰り返さずに済むことがあります。
手術が必要かどうか——まずお薬から考えます
診断がついたこと自体が、そのまま手術の理由になるわけではありません。
お薬は、月経を軽くする、あるいは一時的に止めることで痛みを抑えるものが中心です。
低用量ピル(LEP)をはじめとした各種ホルモン剤の中から、症状やご希望にあわせてご提案します。
お薬を使っても痛みが十分に治まらないときなどに、手術を検討します。
妊娠をご希望の場合
妊娠をご希望の場合は、病巣だけを取り除き、子宮と卵巣を残す方法を優先して検討します。病巣の広がりによって選べる方法は変わります。
不妊治療を先に進めるか、手術を先にするかは、年齢やこれまでの経過によって変わります。迷っておられる段階でも、どうぞご相談ください。
妊娠をご希望でない場合
妊娠をご希望でない場合は、痛みをできるだけ和らげることを優先します。
状態によっては、子宮や卵巣の摘出も選択肢のひとつになります。
ただし、子宮内膜症だけを理由に子宮を摘出することはありません。子宮腺筋症や子宮筋腫、過多月経など、摘出したほうがよい別の理由が重なっている場合に検討します。
いまの症状のつらさはお一人おひとり違いますので、よくお話をうかがったうえで一緒に決めていきます。
手術が必要かどうかは、診察と検査をふまえて判断します。婦人科外来のご予約は、WEBまたはお電話で承ります。
電話受付:平日 8:30〜17:30/土曜 8:30〜12:30
当院で行う手術
当院では、子宮内膜症の手術を腹腔鏡で行っています。周りの臓器がくっついている場合は、その癒着を剥がす処置(子宮附属器癒着剥離術)もあわせて行います。
当院で手術を行う範囲と、ご紹介する場合
病巣のある場所によって分かれます。どちらになるかは、手術の前の画像と診察で見きわめてご説明します。
- 当院で行う手術——ダグラス窩、仙骨子宮靱帯、直腸・S状結腸の表面にある病巣を削り取る手術
- 連携する医療機関へご紹介する手術——腸管を切って繋ぎ直す手術、膀胱や尿管に及ぶ病巣の手術
受診から手術までの流れ
まずは婦人科外来をご受診ください。できましたら、手術を担当する金尾医師・角田医師の外来をご受診いただくと、そのままご相談を進められます。
金尾医師は非常勤のため、診察日は月により異なります。最新の担当日は外来診療担当表でご確認ください。
初診から手術までは1〜3か月が目安です。お待ちいただく間の症状やご不安についても、外来でご相談いただけます。
リスク・合併症
手術には、次のような合併症が起こる可能性があります。
- 手術中・手術後の出血
- 傷や腹腔内の感染
- 周りの臓器(膀胱・尿管・腸管)の損傷(内膜症では癒着が強いことがあります)
- 腹腔鏡手術中に開腹手術へ切り替えることがあります
- 手術のあと、一時的に排尿しにくくなること
- 全身麻酔にともなう体調の変化
起こりうる合併症と、それに対する備えについては、手術の前の診察でお一人おひとりの状態にあわせてご説明します。
術後に痛みや出血が強いときは
ご自宅で症状が強くなったときは、まず当院(03-5280-1166)へご連絡ください(電話受付:平日 8:30〜17:30/土曜 8:30〜12:30)。
診療体制と担当医
婦人科の手術は、日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医が担当します。
腹腔鏡手術は、日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会認定 腹腔鏡技術認定医が加わる体制で行っています。手術中は麻酔科医が全身の状態を管理します。
執刀する医師
深部子宮内膜症の手術は、次の2名が一緒に執刀します。

金尾 祐之(非常勤)/がん研有明病院 婦人科部長
- 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
- 日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会 腹腔鏡技術認定医
- 日本内視鏡外科学会 技術認定医

角田 紗保里(常勤)
- 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
- 日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会 腹腔鏡技術認定医
各医師の経歴・専門資格は、医師紹介のページでまとめてご覧いただけます。
電話受付:平日 8:30〜17:30/土曜 8:30〜12:30
入院日数と、退院後の生活
手術は全身麻酔で行い、入院は5泊6日が目安です。病巣の範囲が広い場合は、7泊8日程度になることがあります。
退院後、事務作業など体に負担の少ないことは早い時期から再開できることが多い一方、重いものを持つ作業や運動の再開時期は、傷の治り方によって異なります。
入浴(湯船)・運動の再開時期は退院時に個別にご説明し、書面もお渡ししています。
費用と、窓口でのお支払い
子宮内膜症の手術は健康保険が適用されます。窓口でのお支払いの目安、高額療養費制度による自己負担限度額、限度額適用認定証・室料差額については、子宮内膜症の手術のページでご説明しています。
合計の金額は、実際に行った処置の内容や入院日数によって変わりますので、診察の際にご説明いたします。
よくあるご質問
- 手術を受けるか迷っている段階でも相談できますか?
- はい。まずは婦人科外来をご受診ください。
- 紹介状は必要ですか?
- いいえ、紹介状がなくても受診いただけます。
- 手術をすれば痛みはなくなりますか?
- 手術は痛みを軽くすることを目的に行いますが、完全になくなるとは限りません。手術後もお薬を続けていただくことがあります。
- 手術のあと、また再発しますか?
- 月経がある間は再発することがあります。当院では手術のあともお薬を続けていただくことをおすすめしており、その後も定期的にご相談いただけます。
手術をご希望・ご検討の方は、月・火・水(午前)・木・金の婦人科外来へお越しください。
ご予約はWEBまたはお電話で承ります。
浜田病院(東京都千代田区神田駿河台2-5-1/JR「御茶ノ水駅」お茶の水橋口 徒歩2分)
電話受付:平日 8:30〜17:30/土曜 8:30〜12:30
本ページは、当院婦人科部長 松田美保医師(日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)が監修しています。(最終確認日:2026年9月25日)
このページは 医療法人財団 小畑会 浜田病院 婦人科 が監修しています。