子宮内膜症の手術
子宮内膜症で手術をすすめられた方、迷っている方へ。
手術が必要かどうかの判断、お薬という選択肢、費用、手術後の再発や妊娠まで、順にご説明します。
- JR御茶ノ水駅から徒歩2分
- 入院設備のある病院
- 診断から手術・術後の経過観察まで院内で対応
※診療科の選択で「婦人科外来」をお選びください
子宮内膜症とは
子宮の内側をおおう「子宮内膜」に似た組織が、子宮の外にできる病気です。月経周期にともなって出血や炎症を起こし、周りの臓器どうしがくっついてしまう「癒着」が起こることがあります。
子宮内膜症ができやすい代表的な場所は、次の3つです。
- 卵巣古い血液がたまって袋状になったものを「チョコレート嚢胞」といいます
- 腹膜お腹の中の臓器をおおっている膜です
- ダグラス窩子宮の後ろ側にある、直腸とのあいだのくぼみです

症状と検査
主な症状
もっとも多い症状月経痛が年々重くなる
- 月経のとき以外の下腹部の痛み
- 性交痛
- 排便時の痛み
- 妊娠しにくさの原因になることも
検査
基本の検査
内診・経腟超音波検査
必要に応じて
MRI検査・血液検査(CA125)
はっきりした診断は、手術で組織を確認して初めてつきます。実際には、症状と画像検査の結果をもとに治療を始めます。
手術を考えるのはどんなときか
子宮内膜症と診断されても、すぐに手術が必要になるわけではありません。
まずはお薬による治療から始めるのが一般的です。
手術を検討するのは、次のようなときです。
- お薬で痛みが治まらないお薬を使っても月経痛が十分に治まらないとき
- チョコレート嚢胞が大きい卵巣のチョコレート嚢胞が大きい、または大きくなってきているとき
- 妊娠の妨げになっている妊娠をお考えで、内膜症が妨げになっていると考えられるとき
- 悪性が否定できない画像の所見から悪性が否定できないとき
妊娠のご希望による手術の考え方
妊娠をご希望の場合
子宮と卵巣を残す手術
病巣だけを取り除き、子宮と卵巣を残す方法をご提案します。不妊治療と手術のどちらを先に進めるかは、年齢やこれまでの経過によって変わります。
妊娠をご希望でない場合
痛みを取ることを優先
痛みをしっかり取ることを優先します。状態によっては、子宮や卵巣の摘出も選択肢になります。
子宮を摘出する場合の、卵巣・卵管の扱い
- 65歳未満の方
- 原則として卵巣を残し、卵管のみを切除します
- 65歳以上の方
- 卵巣と卵管をあわせて摘出します
- チョコレート嚢胞がある側
- 卵巣もあわせて摘出します
いまの症状のつらさは、お一人おひとり違います。よくお話をうかがったうえで、一緒に決めていきます。迷っておられる段階でも、どうぞご相談ください。
手術が必要かどうかは、診察と超音波検査などをふまえて判断します。
手術をご希望・ご検討の方は、月・火・水(午前)・木・金の婦人科外来へお越しください。検査結果や紹介状をお持ちの場合は、ご持参ください。
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お薬による治療
子宮内膜症は、月経のたびに病巣が刺激されて、すこしずつ進行していきます。そのため、月経を軽くする、あるいは止めるお薬が治療の中心になります。
-
月経を軽くする
低用量ピルLEP
月経痛を和らげ、経血量を減らします
-
月経を軽くする
ミレーナ子宮内黄体ホルモン放出システム
子宮の中に入れて経血量を減らします
-
月経を止める
ジエノゲスト
女性ホルモンの働きを抑えて、月経による病巣への刺激を減らし、病巣の活動と痛みを抑えます。
-
月経を止める
GnRHアゴニスト/アンタゴニスト
女性ホルモンを一時的に強く抑えて、月経を止め、病巣を小さくすることで痛みを和らげます。
いずれも当院で扱っており、症状やご希望にあわせてご提案します。
当院で行う手術
当院では、子宮内膜症の手術を腹腔鏡で行っています
開腹が必要になることは、ほとんどありません。
手術の内容
- チョコレート嚢胞の手術嚢胞だけを取り除いて卵巣を残す方法と、卵巣ごと摘出する方法があります
- 癒着を剥がす処置癒着がある場合は、癒着を剥がす処置(子宮附属器癒着剥離術)もあわせて行います
子宮の摘出について
子宮内膜症だけを理由に子宮を摘出することはありません。子宮腺筋症や子宮筋腫、過多月経など、子宮を摘出したほうがよい別の理由が重なっている場合に検討します。
チョコレート嚢胞(卵巣にできた子宮内膜症)
子宮内膜症が卵巣にできたものがチョコレート嚢胞です。ほかの卵巣嚢腫と違い、月経痛や不妊をともないやすいという特徴があります。
チョコレート嚢胞以外の卵巣の腫れについて卵巣嚢腫の腹腔鏡手術
腸や膀胱に及ぶ場合(深部子宮内膜症)
病巣が腹膜の表面にとどまらず、その下に深く入り込んでいるものを深部子宮内膜症といいます。進むと腸や膀胱、尿管に及ぶことがあります。
手術の難度が高いため、当院では担当できる医師の診察日にあわせて日程を調整します。病巣のある場所によっては、連携する医療機関へご紹介することがあります。
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入院日数と、仕事に復帰できるまでの目安
麻酔
全身麻酔
入院期間の目安
5泊6日
退院後の生活の再開
- 事務作業など
- 早い時期から再開できることが多いです
- 重いものを持つ作業・運動
- 傷の治り方によって、再開できる時期が異なります
入浴(湯船)・運動の再開時期は、退院時に個別にご説明し、書面もお渡ししています。
※手術の範囲が広い場合は、経過が異なることがあります。
費用と、窓口でのお支払い
子宮内膜症の手術には健康保険が適用されます。健康保険3割負担・大部屋の場合の、窓口でのお支払いの目安は次のとおりです。
腹腔鏡手術
窓口でのお支払い(お食事代込み)
約18万円
入院 5泊6日
腹腔鏡手術+癒着を剥がす処置
窓口でのお支払い(お食事代込み)
約20万円
入院 5泊6日
いずれも、限度額適用認定証をお使いにならない場合のおおよその目安です。手術料は健康保険で定められていますが、実際に行った処置の内容や入院日数によって合計は変わります。詳しくは診察の際にご説明します。
高額療養費制度と限度額適用認定証
高額療養費制度により、1か月の窓口負担には上限額(自己負担限度額)が定められています。入院前に「限度額適用認定証」をご用意いただくと、窓口でのお支払いが上限額までになります。
STEP 1
ご加入の健康保険から「限度額適用認定証」を取得
STEP 2
当院の窓口でご提示
STEP 3
お支払いが自己負担限度額までに
※上限額は年齢や所得により異なります。ご加入の健康保険にお問い合わせください。
個室などをご希望の場合は、室料差額が別途かかります(1日あたり・税込)。
- 大部屋0円
- 2人部屋22,000円
- 個室33,000円
- 特別室66,000円
お食事代と室料差額は、高額療養費の対象外です。
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手術のあとの経過とお薬
子宮内膜症は、月経がある間は再発することがあります。手術のあとは、次のいずれかの方法で経過をみていきます。
当院のおすすめ
お薬を続ける
再発を抑えるために、手術のあともお薬を続けていただくことをおすすめしています。
お薬を使わない場合
定期的に受診する
半年から1年に1回ご受診いただき、経過をみます。
妊娠への影響
子宮内膜症は、妊娠しにくさの原因のひとつです。おもに次の2つが関係しています。
- 卵管の周りの癒着卵管の周りがくっついて、卵子を取り込みにくくなることがあります
- 卵巣のはたらきの低下卵巣のはたらきが下がることがあります
手術と不妊治療、どちらを先に進めるか
卵巣の手術は、卵巣のはたらきに影響することがあります。手術と不妊治療のどちらを先に進めるかは、年齢やこれまでの経過によって変わります。ご相談しながら決めていきます。
不妊・生殖医療も院内で対応しています
手術が必ず妊娠に結びつくとはかぎらないため、ほかに原因がないかもあわせて確かめたうえでご相談します。手術のあとの治療まで、当院の不妊・生殖医療で続けて対応します。
妊娠を望む方の検査や不妊治療の進め方について子宮内膜症と不妊
リスク・合併症
- 手術中・手術後の出血
- 傷や腹腔内の感染
- 周りの臓器(膀胱・尿管・腸管)の損傷内膜症では癒着が強いことがあります
- 腹腔鏡手術中に開腹手術へ切り替えることがあります
- 全身麻酔にともなう体調の変化
術後に痛みや出血が強いときは
ご自宅で症状が強くなったときは、まず当院(03-5280-1166)へご連絡ください。
(電話受付:平日 8:30〜17:30/土曜 8:30〜12:30)
診療体制と担当医
当院は入院設備のある病院です。婦人科の手術は日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医が担当し、腹腔鏡手術には日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会の腹腔鏡技術認定医が加わります。手術中は麻酔科医が全身の状態を管理します。

理事長・院長
山村 菜実
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医

婦人科部長
松田 美保【常勤】
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医

角田 紗保里【常勤】
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会 腹腔鏡技術認定医

金尾 祐之【非常勤】
がん研有明病院 婦人科部長
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会 腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会 技術認定医

上田 和【非常勤】
国際医療福祉大学三田病院 副院長・婦人科部長・ロボット手術センター長/国際医療福祉大学 医学部教授・医学博士
日本専門医機構認定 産婦人科専門医
日本産科婦人科学会認定 指導医
日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会 腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会 技術認定医
各医師の詳しいご紹介は医師紹介のページをご覧ください。
婦人科手術全般については婦人科手術(腹腔鏡・子宮鏡)をご覧ください。
よくあるご質問
- 子宮内膜症は手術しないとどうなりますか?
- 月経のたびに少しずつ進むことがあります。まずはお薬で進みを抑える治療から始めます。
- 手術をすれば痛みはなくなりますか?
- 多くの方で痛みは軽くなりますが、完全になくなるとは限りません。手術後もお薬を続けていただくことがあります。
- 薬と手術、どちらを先に選びますか?
- 痛みの強さ、嚢胞の大きさ、妊娠のご希望によって変わります。検査の結果をもとに一緒に決めていきます。
- 手術のあと、また再発しますか?
- 月経がある間は再発することがあります。当院では手術のあともお薬を続けていただくことをおすすめしており、その後も定期的にご相談いただけます。
- 手術をすると妊娠しやすくなりますか?
- 必ずしもそうとはかぎりません。卵巣の手術にははたらきを下げてしまう面もあるため、年齢や経過をふまえてご相談します。
- 子宮内膜症は自然に治りますか?
- 閉経すると症状は落ち着きます。それまでは治療を続けながら経過をみていきます。
ご不明な点は、お気軽にご相談ください
※診療科の選択で「婦人科外来」をお選びください
最終確認日:2026年9月11日
このページは 医療法人財団 小畑会 浜田病院 婦人科 が監修しています。