子どもの嘔吐・下痢・腹痛|受診の目安と正しい水分の与え方
嘔吐や下痢そのものよりも、注意すべきは「脱水」です。おしっこの回数と全身の様子が、最も大切な観察ポイントになります。また、特徴的な痛み方・吐き方のなかには、急いで受診すべきものがあります。このページで、見分け方と家庭での対応をお伝えします。
まず確認|受診の緊急度チェック
🔴 すぐに受診・救急を検討
- 激しく泣くのと、ぐったりするのを繰り返す(とくに乳幼児)
- 血が混じった便、イチゴジャムのような赤黒い便が出た
- 緑色のものを吐く
- 右下のお腹を痛がり、痛くて歩けない
- 頭を打ったあとに吐いた
- けいれんが起きた・止まらない
- 強い頭痛や高熱をともなって繰り返し吐く/首を痛がって前に曲げにくい/呼びかけへの反応が鈍い(髄膜炎などの可能性)
- 下の「脱水のサイン」が複数当てはまる
🟡 診療時間内に受診を
- 半日以上おしっこが出ていない
- 水分をとってもすぐ吐いてしまう状態が続く
- 下痢が1週間以上続いている
- 腹痛を繰り返す
ご家庭で様子をみられる状態(受診の必要は低い)
- 吐いても水分が少しずつとれ、おしっこが出ていて、眠れている
脱水のサイン|おしっこと全身の様子で見る
次の項目を確認してください。複数当てはまる場合は受診をおすすめします。とくに涙が出ない・目が落ちくぼむ・大泉門(頭のやわらかい部分)がへこむ・ぐったりして反応が鈍いときは、時間内外を問わずすぐに受診・救急をご検討ください。月齢の低い赤ちゃんは短時間で脱水が進みます。
- おしっこの回数がいつもより明らかに少ない/色が濃い
- 口の中や唇が乾いている
- 泣いても涙が出ない
- 目が落ちくぼんで見える
- ぐったりして反応が鈍い
最も客観的に分かるのは「おしっこの回数」です。半日以上出ていないときは、早めにご相談ください。
吐いた後の水分の与え方|「すぐ・たくさん」は避けてください
吐いたあとに心配して一気に飲ませると、また吐いてしまう——これはよくみられる悪循環です。「少量頻回(しょうりょうひんかい)」を原則として、次の手順で進めてください。
- 吐いた直後は飲ませず、30分ほどを目安に胃を休ませます(吐き気が落ち着くまで)。
- スプーン1杯程度のごく少量から、5〜10分おきに与えます。
- 吐かなければ、少しずつ量を増やしていきます。
- 水分は経口補水液が適しています(お茶や水だけでは、失われた塩分・糖分を十分に補えません)。
注意が必要な腹痛・嘔吐のパターン
頻度は高くありませんが、急いで受診すべきパターンがあります。落ち着いて、次のような様子がないか確認してください。
- 泣いたり静かになったりを、周期的に繰り返す+嘔吐(乳幼児):腸重積の可能性があります。血便(イチゴジャムのような便)が出るのを待たず、この時点で早めに受診してください(血便はすでに進行したサインです)。
- みぞおちから右下腹部へ移っていく痛み・歩くと響く痛み:虫垂炎(いわゆる盲腸)の可能性があります。
- 緑色(胆汁のような色)の嘔吐:腸閉塞などの可能性があります。
いずれも「可能性」であり、多くの腹痛・嘔吐はこれらには当てはまりません。ただし、上のようなサインがあるときは、時間を空けずにご相談ください。
あわせて、発熱をともなうときは子どもの発熱|受診の目安(年齢別)と家庭でのケアもご確認ください。
食事の再開と家庭でのケア
食事について
- 無理に食べさせる必要はありません。
- 水分がとれるようになってから、消化のよいものを少しずつ再開しましょう。
家庭内での感染対策
- 嘔吐物・便の処理は、使い捨て手袋を使い、換気をしながら行いましょう。
- 塩素系の消毒を使い、タオルの共用は避けてください。
浜田病院 小児科の受診案内
- 診療時間:一般診療は平日午前です(午後・土日祝は休診)。実施日・担当医は外来診療担当表をご確認ください。
- ご予約:お電話 03-5280-1166(受付:平日 8:30〜17:30/土 8:30〜12:30)へ。一般診療は予約優先で、ご予約がなくても空き枠でご案内できます。WEB予約(24時間)もご利用いただけます。
- 当日の受診:その日のうちに受診したいときは、当日そのままご来院いただけます(ご予約をおすすめします)。発熱が37.5度以上のときは、ご来院前に一度お電話 03-5280-1166をお願いします。
- 持ち物・医療費:受診の際はマイナ保険証(または資格確認書)と、お持ちの方はこども医療証(マル乳など)をご持参ください。千代田区にお住まいの0〜18歳は、保険診療の窓口負担が助成されます(自己負担の有無・詳細は千代田区 こども・高校生等医療費助成でご確認ください)。
よくある質問
- Q. 吐いた直後に水を欲しがります。飲ませてもいいですか?
- 吐いた直後は、まず30分ほどを目安に胃を休ませてください。そのあと、スプーン1杯程度のごく少量から少しずつ与えるのが安全です。一度にたくさん飲ませると、再び吐いてしまうことがあります。
- Q. 何回吐いたら受診すべきですか?
- 回数だけでは決められません。大切なのは「水分がとれているか」「おしっこが出ているか」です。水分がとれず、おしっこも半日以上出ていないときは、回数にかかわらず受診をご検討ください。
- Q. 市販の下痢止めを使ってもいいですか?
- 自己判断での使用はおすすめしません。下痢は原因を体の外に出す反応でもあり、止めることでかえって回復が遅れる場合があります。使ってよいかどうかは、受診のうえでご相談ください。
- Q. 保育園・学校はいつから行けますか?
- 嘔吐・下痢がおさまり、食事がとれて元気が戻っていることが目安です。原因や園の規定によって登園の基準が異なるため、園にもご確認ください。判断に迷うときは診察でご相談ください。
参考情報・関連ページ
参考情報
日本小児科学会・厚生労働省研究班「こどもの救急(ONLINE-QQ)」 https://kodomo-qq.jp/(取得日:2026年7月)
▶ 電話で受診相談:03-5280-1166(電話受付:平日 8:30〜17:30/土 8:30〜12:30)
このページは 医療法人財団 小畑会 浜田病院 小児科 が監修しています。