子宮筋腫の手術
健診や超音波検査で子宮筋腫が見つかった方、
手術をすすめられて迷っている方へ。
当院では腹腔鏡・子宮鏡・開腹による手術を行っています。手術が必要かどうかの判断、子宮を残す核出術と子宮全摘術のどちらが適応になるか、費用、術後のお仕事復帰や妊娠まで、順にご説明します。
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子宮筋腫とは
子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。多くは症状がなく、健診で偶然見つかることもあります。できる場所によって3つに分けられ、症状も手術の方法も変わります。
- 粘膜下筋腫子宮の内側に出るもの。過多月経や貧血を起こしやすいのが特徴です
- 筋層内筋腫子宮の壁の中にできるもの
- 漿膜下筋腫子宮の外側に出るもの

手術を考えるのはどんなときか
筋腫が見つかっても、症状がなく、大きすぎない場合は、定期的に経過を見ていきます。手術を検討するのは、次の症状が日常生活に影響しているときです。
子宮筋腫の大きさと手術の関係
大きさだけで手術が決まるわけではありません。
筋腫のできている場所・大きさ・個数・大きくなる速さや年齢、症状、妊娠やご出産をいつごろお考えかをあわせて判断します。
手術方法の判断には診察と超音波検査が必要です。また、採血やMRI検査などを行うこともあります。
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子宮を残すか、取るか——核出術と子宮全摘
手術には、筋腫だけを取り除いて子宮を残す方法(子宮筋腫核出術)と、子宮を摘出する方法(子宮全摘出術)の2つがあります。
子宮を残す
子宮筋腫核出術
核出術は、これから妊娠を考えていらっしゃる方に行う手術方法です。
子宮を取る
子宮全摘出術
子宮全摘では、筋腫が再びできることはなく、月経がなくなるため、貧血もなくなります。
年齢やこれからのライフプラン、いまの症状のつらさは、お一人おひとり違います。筋腫の状態とあわせてよくお話をうかがったうえで、手術方法をご相談します。迷っておられる段階でも、どうぞご相談ください。
子宮を摘出したあと、変わること・変わらないこと
変わること
月経はなくなり、過多月経による貧血や月経痛もなくなります。
変わらないこと
一方、「子宮を取ると更年期がすぐ来るのでは」というご心配をよくうかがいます。女性ホルモンは子宮ではなく卵巣から分泌されるため、卵巣を残した場合の女性ホルモンの分泌はこれまでどおりです。
当院では、子宮筋腫で子宮を摘出する場合、将来の卵巣がんのリスクを減らすため、閉経後しばらく経っている方は卵巣と卵管(付属器)をあわせて摘出します。それ以外の方は、卵管のみを切除しています。
当院で行う手術の方法
当院では、子宮筋腫に対して次の手術を行っています。手術の前にはGnRHアゴニストなどのホルモン剤を使用します。GnRHアゴニストは貧血の改善、子宮筋腫を縮小させる効果があります。
- 腹腔鏡下 子宮全摘出術(TLH)
- 腹腔鏡補助下 子宮筋腫核出術
- 開腹子宮全摘出術
- 開腹子宮筋腫核出術
- 子宮鏡下 子宮筋腫摘出術(粘膜下筋腫)
子宮の内側に出ている粘膜下筋腫については、粘膜下子宮筋腫の子宮鏡手術のページでご案内しています。
腹腔鏡か、開腹か——手術方法の選択について
どの方法で行うかは、筋腫の大きさ・場所・個数などから判断します。
核出術では筋腫がかなり大きい場合や個数が多い場合は、腹腔鏡の傷に小さな切開を1か所追加する腹腔鏡補助下の手術を行います。それでも難しいほど大きい場合や癒着が高度である場合は開腹核出術となります。
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リスク・合併症
- 手術中・手術後の出血。とくに核出術ではまれですが輸血が必要になる場合があり、手術の前にご説明し、同意書をいただいています
- 傷や腹腔内の感染
- 周囲の臓器(膀胱・尿管・腸管)の損傷
- 全身麻酔にともなう体調の変化
核出術のあと筋腫が再発することがあります。術後のフォローがひととおり終わったあとも、1年に1回ご受診いただき、再発がないかを確認しています。
術後に出血が増えたときは
ご自宅で出血が増えたときは、まず当院(03-5280-1166)へご連絡ください。
(電話受付:平日 8:30〜17:30/土曜 8:30〜12:30)
手術のあとの生活
お仕事・入浴・運動の再開
退院後、事務作業などは早い時期から再開できることが多い一方、重いものを持つ作業や運動の再開時期は手術方法や傷の治り方によって異なります。入浴(湯船)・運動の再開時期は退院時に個別にご説明し、書面もお渡ししています。
子宮を摘出した方へ
子宮を摘出した方は、腟の縫合部が治るまでに時間がかかるため、手術後3か月のあいだ性交渉は控えていただきます。
妊娠への影響と、手術後の妊娠
子宮筋腫は、できている場所によって、妊娠しにくさや流産と関連することがあります。とくに子宮の内側の形が変わっている場合には、核出術をご提案することがあります。
当院は不妊・生殖医療も院内で行っています。手術が必ず妊娠に結びつくとはかぎらないため、筋腫のほかに原因がないかもあわせて確かめたうえでご相談します。妊娠を望む方の検査と治療の進め方は、子宮筋腫と不妊のページでご説明しています。
核出術のあとの妊娠——避妊期間と、分娩の方法
避妊期間
核出術のあとは、子宮の傷が治るまでのあいだ避妊が必要です。傷が十分に治らないうちに出産を迎えると子宮破裂が起こることがあり、手術から1年以内のご出産では頻度が高くなることが分かっています。期間は3〜6か月とされることが多く、次の妊娠の時期は診察の際にご相談ください。
分娩の方法
手術の傷が子宮の壁の全層に及んだ場合や、筋腫を多数取った場合は、次のご出産で予定帝王切開をおすすめすることがあります。
ご妊娠後の受診
当院では現在お産(分娩)を取り扱っておりませんが、妊婦健診は行っております。核出術のあとにご妊娠された場合は、当院で妊娠を確認したうえで、分娩を扱う施設へご紹介します。また、当院へ受診が難しい場合は、手術内容を記載した紹介状をご用意しますので、当院へご連絡ください。
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手術をしない選択——経過観察と、お薬による治療
経過観察
症状がなく、大きすぎない筋腫は、手術をせずに経過を見ていきます。当院では、筋腫の大きさに応じて3〜6か月に1回ご受診いただき、超音波検査で変化を確認します。
お薬による治療
過多月経など症状がおつらい場合は、お薬の治療を行います。ミレーナ、低用量ピル(LEP)、GnRHアゴニスト/アンタゴニストなどのホルモン治療があり、いずれも健康保険が適用されます。
お薬は筋腫を一時的に小さくしたり、症状をやわらげたりするための治療で、筋腫そのものをなくすものではありません。
受診から手術までの流れ
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初診
診察・超音波検査。手術の方針をご相談します
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術前検査・手術日の決定・入院申込
初診当日に完了できます
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入院・手術
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術後の外来
経過と、摘出した組織の病理検査の結果をご説明します
術前検査は血液・心電図・胸部レントゲン・呼吸機能です。過多月経による貧血が強い場合は、閉経前の方にはお薬で貧血を改善してから手術を行うことがあります。
費用と、窓口でのお支払い
腹腔鏡の手術・開腹の手術とも全身麻酔で行います。入院は腹腔鏡が6泊7日、開腹が9日間が目安です。
子宮筋腫の手術には健康保険が適用されます。3割負担・大部屋の場合の窓口でのお支払いの目安は次のとおりです。
腹腔鏡下子宮全摘出術
窓口でのお支払い(入院費込み)
約20万円
入院 6泊7日
腹腔鏡下子宮筋腫核出術
窓口でのお支払い(入院費込み)
約15万円
入院 6泊7日
※いずれもおおよその目安です。手術料は健康保険で定められていますが、実際に行った処置の内容や入院日数によって合計は変わります。開腹の手術は入院日数が変わるため、診察の際にご説明いたします。
個室などをご希望の場合は室料差額が別途かかります(1日あたり・税込)。
- 大部屋0円
- 2人部屋22,000円
- 個室33,000円
- 特別室66,000円
高額療養費制度と粘膜下筋腫の子宮鏡手術の費用は、子宮鏡手術のページでご案内しています。
手術をご希望・ご検討の方は、月・火・水(午前)・木・金の婦人科外来へお越しください。検査結果や紹介状をお持ちの場合は、ご持参ください。
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診療体制と担当医
当院は入院設備のある病院です。婦人科の手術は日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医が担当し、腹腔鏡手術には日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会の腹腔鏡技術認定医が加わります。手術中は麻酔科医が全身の状態を管理します。

理事長・院長
山村 菜実
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医

婦人科部長
松田 美保【常勤】
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医

角田 紗保里【常勤】
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会 腹腔鏡技術認定医

金尾 祐之【非常勤】
がん研有明病院 婦人科部長
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会 腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会 技術認定医

上田 和【非常勤】
国際医療福祉大学三田病院 副院長・婦人科部長・ロボット手術センター長/国際医療福祉大学 医学部教授・医学博士
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会 腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会 技術認定医
各医師の詳しいご紹介は医師紹介のページをご覧ください。
婦人科手術全般については婦人科手術(腹腔鏡・子宮鏡)をご覧ください。
よくあるご質問
- 何センチになったら手術が必要ですか?
- 大きさだけでは決まりません。症状、場所と個数、大きくなる速さ、ライフプランをご相談のうえ、判断します。
- 子宮を残したまま筋腫だけ取れますか?
- 筋腫のできている場所・大きさ・個数・大きくなる速さや年齢、症状などによって選べる場合とそうでない場合があります。検査の結果をもとにご相談いたします。
- 子宮を取ると、更年期がすぐに来ますか?
- 女性ホルモンは卵巣から分泌されます。当院では65歳未満の方は原則として卵巣を残すため、分泌はこれまでどおり続きます。
- 筋腫が急に大きくなりました。がんの可能性はありますか?
- ごくまれに子宮肉腫があります。疑われる場合は連携する大学病院へご紹介します。
ご不明な点は、お気軽にご相談ください
※診療科の選択で「婦人科外来」をお選びください
本ページの医学的な内容は『産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2026』を参考にしています。
(最終確認日:2026年9月15日)
このページは 医療法人財団 小畑会 浜田病院 婦人科 が監修しています。